パリ警察のジロー警部が今回のポアロのライバルとして初登場し「推理合戦」を繰り広げるポアロ作品として2作目の「ゴルフ場殺人事件」


■概要

世界的に有名な〈灰色の脳細胞〉を持つ名探偵エルキュール・ポアロ。身長162.5センチの小柄な体に卵型の頭とワックスで固めた八の字型の口ひげがトレードマークであり、潔癖症といえるくらいのきれい好きで、大変なおしゃれ。 そして女性に対しては常に紳士的な態度でのぞむ好人物。そんなポアロが登場するシリーズで、1923年に発表されたアガサ・クリスティの長編推理小説。

■書籍について


「ゴルフ場殺人事件」(原題:The Murder on the Links)
1923年にイギリスで初版発行。ポアロ作品として2作目、アガサ・クリスティ作品として3作目にあたる。

■本の内容


フランスに滞在する富豪ルノーが、ゴルフ場で何者かに刺殺された。ポアロが事件を担当することになるが、パリ警察の名刑事ジローも捜査を開始する。ふたりは、知恵比べをしながら調査をしてゆくことになるが、まもなく富豪殺しと同じ凶器で浮浪者が殺害される事件が発生した。はたして、両事件に関連はあるのか。「エルキュール・ポアロ」シリーズ 第2作目。

■作品にまつわるトリビア


パリ警察のジロー警部が今回のポアロのライバルとして登場し、「推理合戦」をする。
また、ヘイスティングスの名(迷)活躍ぶりが見れる初期ならではの作品。

タイトルにあるゴルフ場は、「ゴルフ場で死体が見つかった」だけという場所的な意味でしかなく、ほとんど物語やトリックに絡んでこない。理由としては、田舎屋敷とゴルフ場の組み合わせは荘園時代の名残として、よく見かけるものであり、社会体制の変化から経済的に困窮した貴族たちは、無駄に広い領地を持て余しゴルフ場に造成しなおしたという時代背景があったからという説がある。



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