アガサ・クリスティの謎が謎を生み、波瀾万丈に物語が展開する冒険ミステリー「「チムニーズ館の秘密」

■概要

1925年に発表されたアガサ・クリスティの長編推理小説。謎が謎を生み、波瀾万丈に物語が展開するバルカンの小国がらみの冒険ミステリー。本書「チムニーズ館の秘密」の同じ舞台と世界観で4年後の話が書かれているのがアガサ・クリスティが4年後に出版した「七つの時計」である。

■書籍について


「チムニーズ館の秘密」(原題: The Secret of Chimneys)
1925年にイギリスで初版発行。ロンドン警視庁のバトル警視初登場作品で、アガサ・クリスティ作品として5作目にあたる。

■本の内容

王政復古で混乱するヘルツォスロヴァキア国。その石油利権を狙う各国代表が、ロンドン郊外のチムニーズ館に集結していた。秘宝を狙う大泥棒までもが入り乱れるなか、ついに殺人が! 事件解決に乗り出したバトル警視以下英米仏の探偵たちは、どんな結末にたどり着くのか? 謎が謎を呼ぶ、波瀾万丈の冒険ミステリー。

■作品にまつわるトリビア

登場する主人公の1人であるヴァージニア・レベル夫人は、優美な体、髪は金色、小さなあご、きれいな鼻、青い目・・・形容詞は飛ばすが単行本で彼女の容姿について5〜6行かかれている程かなりの描写で飛び抜けた美人。
本作品で「登場人物」欄に名を連ねない端役(ケイタラム卿の友人)で登場するメルローズ大佐も『七つの時計』で端役で登場するほか、エルキュール・ポアロものの『アクロイド殺し]』やハーリ・クィンものの短編「愛の探偵たち」にも登場する。
脚色ポール・ルットマン,監督ジョン・ストリックランドにて放映された「ミス・マープル5」のチムニーズ館の秘密はこれが原作だが、勿論、原作にはミス・マープルは出てこない。



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■アガサ・クリスティの謎が謎を生み、波瀾万丈に物語が展開する冒険ミステリー「「チムニーズ館の秘密」

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