記述そのものにトリックを仕組んだトリックと意外な真犯人をめぐってフェアかアンフェアか大論争を巻き起こしたアガサ・クリスティの代表筆頭作「アクロイド殺し」


■概要

『そして誰もいなくなった』、ポアロシリーズでは『オリエント急行の殺人(オリエント急行殺人事件)』『ABC殺人事件』とともに推理小説史上に残る名著であり、ミステリベスト10や名作選などがあると、必ずといっていいほど名が挙がる。あまりに有名なトリックを含めて多くの人が知っており、アガサ・クリスティの代表作筆頭作。
アガサ・クリスティ自信、本書を執筆中は、母親の死や夫の浮気など家庭的に恵まれない状態であり、経済的な問題もあって、執筆に力を入れていた。

■書籍について


「アクロイド殺し」(原題: The Murder of Roger Ackroyd)
1926年にイギリスで初版発行。アガサ・クリスティの長編推理小説6作目であり、エルキュール・ポアロ・シリーズの3作目。現在でも推理小説史上に残る名著として、クリスティの代表作の一つに挙げられている。

■本の内容

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。

■作品にまつわるトリビア

1926年、「アクロイド殺し」を出版した年に、母親が死去し、アガサ・クリスティは謎の失踪事件を起こした。
大胆なトリックと意外な真犯人をめぐって、「このトリックはフェアか、アンフェアか」という大論争を巻き起こした作品である。アンフェア論の先頭に立ったのは、本格ミステリーのルールを定めたとされる「二十則」を発表しているヴァン・ダインという人物。一方、この作品を傑作として高く評価したのが、アガサ・クリスティに並ぶミステリの女王ドロシー・L・セイヤーズ。
「アクロイド殺し」の出版以降から極端な例として「探偵が犯人」などという作品も現れ、「すべての登場人物を疑ってみるべき」というのが定着しはじめた。



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