サン・ジェルマン伯爵(Comte de Saint-Germain)18世紀始めから20世紀にかけての「約200年間」の間に、ヨーロッパ各地に何度も現れ決して年をとらなかったという。彼は時の国王や政界の人間とも多く会い、自分のことを不老不死だと言っていたという。
ルイ15世との奇妙な出会い
ルイ15世は「誰かね、その人物は。」と、興味を示した様子だった。
「どういった男なのかは私にも分かりません。ただ、その知識は膨大なもので、
錬金術や、化学に関しては並ぶ者がなく、不老不死の薬まで作っており、途方もない大金持ちらしいのです。」
ルイ15世は勧められるがままに、サン・ジェルマン伯爵と会うことになった。
そして当日、ルイ15世の前に現れたサン・ジェルマン伯爵は、歳のころは40代くらい、きちんとした身なりをして、話し方も紳士的であった。
伯爵はルイ15世に頭を下げると、ポケットから何かを取り出し、ばらばらとテーブルの上に置いた。見るとそれらはすべてダイヤモンドだった。
「これは陛下への贈り物です。どうぞ受け取って下さい。」
「このダイヤは? こんな見事なものをどこで手に入れたのだ?」
「買ったものではありません。これらは私が作ったものです。」
サン・ジェルマン伯爵とはどんな人物だったのか?
彼は宝石を散りばめた衣装をまとい、丸薬とパンと麦しか口にせず、ギリシア語・ラテン語・サンスクリット語・アラビア語・アラビア語・中国語に加えて仏・独・英・伊・葡・西の各国語を話したといわれる。
クラヴサンとヴァイオリンの名手であり、作曲もこなした。また化学と錬金術に精通しており、ついには不死を可能にする著作をものしたともいわれる。
哲学者ヴォルテールは1760年4月15日のフリードリヒ2世に宛てた書簡で、サン・ジェルマンについて「決して死ぬことがなく、すべてを知っている人物」であると書き、フリードリヒ2世も彼を「死ぬことのできない人間」と記している。
ジェルジ伯爵夫人の場合
フランスの貴婦人ジェルジ伯爵夫人も彼を時を隔てて目撃した一人だった。彼女は1710年に、ベネチアでたしかにサン・ジェルマン伯爵に会ったと証言した。
「そのときあの方は、45歳から50歳の間ぐらいでした。サン・ジェルマン伯爵にちがいありません。」
それから40年ほども後に、パリのポンパドール公爵夫人のパーティーで、再びサン・ジェルマン伯爵に会って、彼女は腰を抜かすほど驚いたという。同じ人間が、少しも年をとらないで、再び目の前に姿を現したからだ。
「まあ、あなたは私がベネチアにいたころお会いした方にそっくりですわ。でも、もう40年も前のこと……。人違いかしら?」
サン・ジェルマン伯爵は彼女にこう答えたそうである。
「奥様、私は確かに40年ほど前にベネチアでお目にかかった、あのサン・ジェルマンですよ。誓って本当です。あなたは当時まだうら若く、ご主人はイタリア大使であられましたね。」
「そのときあの方は、45歳から50歳の間ぐらいでした。サン・ジェルマン伯爵にちがいありません。」
それから40年ほども後に、パリのポンパドール公爵夫人のパーティーで、再びサン・ジェルマン伯爵に会って、彼女は腰を抜かすほど驚いたという。同じ人間が、少しも年をとらないで、再び目の前に姿を現したからだ。
「まあ、あなたは私がベネチアにいたころお会いした方にそっくりですわ。でも、もう40年も前のこと……。人違いかしら?」
サン・ジェルマン伯爵は彼女にこう答えたそうである。
「奥様、私は確かに40年ほど前にベネチアでお目にかかった、あのサン・ジェルマンですよ。誓って本当です。あなたは当時まだうら若く、ご主人はイタリア大使であられましたね。」
死の5年後に、マリー・アントワネットを警告?
ルイ16世とマリー・アントワネットに対してサン・ジェルマン伯爵は「くれぐれも政治に注意を払わないと、そのうち大変なことになりますよ。」と警告をしたと言われる。
その後、サン・ジェルマン伯爵は、1784年2月27日に死亡したと墓碑に刻まれている。
その手紙には「これが最後の警告です。民衆の要求を受け入れ、貴族たちを静め、ルイ16世は退位しなければなりません。」と書かれてあった。
アントワネットは当時、革命を起こそうとしている一派のいやがらせだろうと思い、そのまま手紙を破り捨ててしまった。
そして1789年、ついにフランス革命が起こり、ルイ16世もアントワネット捕らえられることになる。
国王夫妻が捕らえられていた時にも、「サン・ジェルマン伯爵の使いの者」と名乗る者が訪ねてきてた。
「私は不死身で、歳をとりません。時間の中をさまよっているのです。国王夫妻は、とうとう私の警告を聞き入れなかった。彼らはもう、お終いですが、それは私には関係ないことです。」
と言ってまた姿を消したという。
サン・ジェルマン伯爵とは一体誰だったのか?
また、彼が死んだとされている年にフリーメイソンの会合に出席していたとか、ナポレオンが彼に忠告を受けたとか、第二次世界大戦でイギリスのチャーチル首相が彼に助言を受けたとも言われる。
サン・ジェルマン伯爵の正体については、「本物は一人で、偽者が歴代受け継いできた」とか、
「薔薇十字団やフリーメイソンなどの秘密結社のメンバーで、歳をとらない秘伝を伝授された」とか「本当に不老長寿で歳をとらない人類だった」と色々なことが言われているが、彼が本物の超人類であるか、詐欺師であるかは、書籍でもネット上でも個人の見解が掲載されているだけで、不明のままである。
スコットランドの生物学者の驚くべき仮説とは?
スコットランドの生物学者の学説。動物の細胞には遺伝子が存在する。それが細胞分裂する際に、その両端のテロメアという部分が短くなり、やがてなくなると分裂は止まる。これが、老いである。しかし、リング状の遺伝子であればそれが短くなる事は無く、生殖は出来ないが理論上不死である。彼によれば、確率からそんな人間が今までに5人は生まれているという。
はたしてサン・ジェルマン伯爵もそんな一人だったのか?