世界で流されている謎の放送としては、約2秒おきにブザー音を繰り返すだけの謎の短波放送、
ロシアのUVB-76、通称「ザ・ブザー」が有名だが、実はアメリカにも目的不明の乱数放送があるという。
この乱数放送は「ヨセミテ・サム」と呼ばれ、アメリカ・ニューメキシコ州のゴーストタウンから
放送されているという。
一体「ヨセミテ・サム」は誰がなんのために放送しているのか?
謎の乱数放送・「ヨセミテ・サム」とは?
「ヨセミテ・サム」は2004年12月19日に最初に報告された、アメリカの乱数放送のニックネームだ。
アメリカ・ニューメキシコ州のすでにゴーストタウンとなっている、ラグーナ・インディアン保留地から毎正時に繰り返し、短波を使って放送されているという。
「ヨセミテ・サム」の名前の由来は、放送の最初に、バッグス・バニーが出演する1949年のアニメ映画「バンカーヒル・バニー」の中のヨセミテ・サム(写真)の台詞
「害獣め、木っ端微塵に吹っ飛ばしてやる!」(Varmint, I’m a-gonna blow yah to smithereens!)と叫ぶ音声に続いて数字のデータが流されるからとされている。
(youtube:ヨセミテ・サム音声)
いまだ誰がなんのために放送しているのか謎のラジオ放送として、ロシアのUVB-76通称「ザ・ブザー」と並び、有名な乱数放送だ。
「ヨセミテ・サム」は2004年12月23日に一度消滅したが、2005年2月の間にまた再開された。
また、放送の発信機(transmitter)のある場所としてニューメキシコ州のアルバカーキ近くの砂漠が示されているという。
この「アルバカーキ」という土地もまた、バックス・バニー(写真)に由来のある土地でバックス・バニーはしばしば
「 "I knew I should have taken that left turn at Albuquerque."やっぱアルバカーキで左に曲がっときゃ良かったんだ。」というおなじみのセリフを口にするという。
(ニューメキシコ州・アルバカーキ)
バックス・バニーは地下経由で旅行に出ると、大抵アルバカーキーで道を間違えてしまうらしい。いつも穴から顔を出して初めて間違いに気付き、世界地図を広げ、「 やっぱアルバカーキで左に曲がっときゃ良かったんだ。」と定番の台詞を放つので有名なのだ。
それにしても、発信場所がゴーストタウン、発信機が砂漠、さらにどちらもカトゥーンアニメに関連しているというのは、どこか遊び心を感じるところだが、実際の放送を聞いてみると、雑音の中から聞こえるアニメの音声は一種不気味だと言われている。
誰がいったい何のために?~世界中に存在する謎のラジオ放送
「ヨセミテ・サム」は乱数放送として有名だが、乱数放送とはもともと、数字、文字、あるいは単語等の羅列を組み合わせた乱数を用いて作成した暗号により、特定の相手に対して情報を伝達しようとする発信源不詳のラジオ放送のことだ。
世界のいたるところで、地球全体をカバーできる強力な送信機が、一聴したところ無意味に思える数列や文字列を、大量の耳障りな電子ノイズとともに放送しているそうだ。
このような「乱数放送局」を運営しているのは大規模なドラッグ密売組織だと推測する人もいるが、もっと可能性が高いのは諜報機関であると言われている。奇妙な乱数放送局は、冷戦の終結や、新技術の発展などはまるで意に介していないかのように短波送信を続けている。一部の国では、これらの信号を聴くこと自体が違法とされているという。
はたして、「ヨセミテ・サム」を放送しているのは一体誰でなんの目的があるのか?
参照元:ヨセミテ・サム